インド2

地下鉄ニューデリー駅で下車すると、ふだんの海外旅行感覚で「food」の案内へすいよせられた。しかし、工事中で塀に囲まれていた。グーグルマップによると、ホテルのあるパハールガンジエリアのホテルまでは徒歩で10分。キャリーバッグを引いてもそう遠くはなさそうなので歩いて行くことにした。

地下鉄ニューデリー駅からホテルへ行くには、国鉄ニューデリー駅を通過するのだが、人がたくさんいる。たくさんいるでは表現しきれない程の人がいる。混沌、カオスを目の当たりにした感じ。

国鉄ニューデリー駅の手前でよく分からないまま、動かないエスカレーターを下りる。駅構内へ行こうとする若者が、Deli Police によって封鎖された上りエスカレーターの柵を越えてジャンプして国鉄駅へ向かう。 警察官が「コラーッ」と大声を出して長い棒で柵を叩いて威嚇する。駅から離れようとしている私は出してもらえた。

そこで、UberTaxiを呼ぶと、近くには来ているとのこと。しかし、土地勘がなくてそこまでたどり着けない。Uber待ちの間にも、「500ルピーでリキシャに乗らんかね」と、三輪バイクへのお誘いが嫌になるくらいたくさん来る。相場は50ルピーなので、ぼったくられないように必死だった。

ここならUber来てくれるかも、と薄暗い階段を降りたが、そこはバス乗り場で、Uber召喚は上手くいかなかった。

ここで再びグーグルマップを見た。地下鉄ニューデリー駅から国鉄ニューデリー駅へ向かい、陸橋を越えるとホテル方面へ行ける。そこで再びチャレンジするが、たくさんの人。仕方がなく人が多すぎて前へ進めなくなってきた。通路の中央にある柵が何の柵だか分からないまま人に流されて左の方いった。行きたい方向である直進はとてもできなかった。このままでは乗る予定のない国鉄駅へ流される感じがあり、「sorry 、excuseme」を繰り返して人混みから必死に抜け出した。

再びUberをよぶか、と薄暗い階段を下りようとしたところ、階段を上ってきた若い男性2人が「ブブ」と言いながらすれ違いざまに···

なんと、その一人が私の胸を軽くつかんだのだった。内心「キャー!!!痴漢だぁ」と驚き、恐怖を覚えると同時に怒りが湧いてきた。日本語で「触るな こんにゃろー」的なことを相手に聞こえる声で言った。キャリーバッグで殴りかかりたかったが、ナイフで刺されたり、階段から突き落とされるのも嫌だったので、その場を離れて明るい場所へ向かった。キャリーバッグとバッグパックを持ち両手がふさがった状態だったのも良くなかったのかもしれない。

やっとの思いで明るい場所へ行った。そもそも、女性1人で行動している人は周りにいない。女性グループやファミリーしか見当たらない。暗くなってから外国人風の女が一人でいる事のほうがおかしい雰囲気なのだ。

はじめにUberを呼んだ場所で再び試みるが、マッチングしない。たくさんのオートリキシャの運転手が声をかけてきた。相場50ルピーのところ、200ルピーのオートリキシャに乗った。時間はすでに22時だった。ニューデリー駅で3時間もうろつくなんておかしい。

オートリキシャに乗ると、運転手とは別にもう一人の男が乗ってきた。オートリキシャが動きだすと、あそこのホテルは2000ルピーだ。あそこは1500だと、勧められた。ホテルの名前を何回も聞かれた。イライラしてしまい、「ホテルにいって」と少し大きな声で言うと「マップあるんでしょ。ここは左?」と聞いてくる。地図をみるのは苦手だがなんとか答えていたが、とんでもない渋滞にハマった。

「近いから歩いて」と下ろされ、そこからは、正確なのかも分からないグーグルマップを信じて歩くしかなかった。運転手からすると、カモにならないうるさい客だったのだろう。

夜遅く女一人で見知らぬ土地を歩く心細さは忘れられない。

ホテルのネオンが見えた時には涙が出そうになった。

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